違憲とまでいかない「違憲状態」広島高裁は5日、「1票の格差」が最大4.77倍だった7月の参院選を「違憲状態」とする判断をくだした。一方で、「国会の裁量権の限界を超えるものとは言えない」として選挙無効の請求は棄却した。 この裁判は、1票の格差が最大4.77倍だ…

広島高裁は5日、「1票の格差」が最大4.77倍だった7月の参院選を「違憲状態」とする判断をくだした。一方で、「国会の裁量権の限界を超えるものとは言えない」として選挙無効の請求は棄却した。

この裁判は、1票の格差が最大4.77倍だった参院選が、法の下の平等を定めた憲法に違反するとして、弁護士グループが広島と山口両選挙区の選挙の無効を求め、訴訟したものだ。

7月の参院選では、選挙区1人当たりの有権者数が最少の鳥取と最多の北海道では格差が4.77倍、広島との格差は2.41倍あり、議員定数が人口に比例して配分されていなかった。原告側は上告する方針。

（画像はイメージです）　Image:by sekido

7月の参院選をめぐっては、弁護士グループが全47選挙区の選挙無効を求めて、計14件の訴訟を起こしている。今回の判決は「選挙を無効」とした広島高裁岡山支部に続く2回目の判決。同高裁岡山支部は11月28日、「違憲・無効」を言い渡している。

残る7高裁、5高裁支部の判断は、今月26日までに出そろい、来年以降、最高裁が統一判断を示す見通しだ。

判決で宇田川裁判長は、選挙無効請求を棄却し、「違憲」とはしなかったものの、「違憲の問題が生じる程度の著しい不平等状態だった」とし、1947年に実施された初の参院選当時の格差（2.62倍）以上になることは、憲法上許容されないとの判断も示した。

また、2016年の次回の参院選までに改善されなければ、違憲と判断されると指摘した。


▼外部リンク

広島高等裁判所のホームページ
http://www.courts.go.jp/hiroshima-h/