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イー・キャッシュ

TOPが語る

  

新興市場上場企業のTOPが、上場の経緯や成長戦略を語る

 

2007/12/11

ショッピングに行く時、あるいは電車に乗る時、「SuICa」や「Edy」を持っていれば、財布を持たなくてもほとんどの場所で決済が完了します。これらのカードに導入されている技術は、RFIDという電磁波を利用した非接触IC(集積回路)チップによる自動認証・認識技術です。当社は、RFIDを活用した各種サービスを提供しています。 設立は1990年ですが、現在の社名になったのは2000年で、最初は電子商取引の決済代行サービスをしていました。その後、2003年からRFID関連事業を始めて現在4年目です。私が入社したのは、2001年。情報技術分野の技術力と、前職の情報技術部長としての経験を買われてのことでした。当時は、電子認証・認識技術を軸とした電子商取引における決済代行サービスを中心にしていましたが、長期展望を踏まえた戦略の下、RFID市場への参入を決めました。結果として、RFID市場の黎明期より事業を展開できたため、業績は年々向上。今年3月には、マザーズに上場しました。

RFID関連で、当社が手がけている事業は、ハードウェアやミドルウェアの設計・開発・販売、そして導入に至るコンサルティングやシステムインテグレーションなどのサービス提供です。具体的には、ICカードやICタグを利用したシステムを導入したい会社に対し、事業の企画段階からパートナー企業とともに加わり、例えば、ICカードの読み取り装置やバックオフィスのシステム開発などを行います。 RFIDの市場規模は年々拡大を続けています。企業がRFIDを利用した事業への投資金額は、数千万円から数億円。国内市場は周辺事業などを含めて数千億円、海外も含めるとその3〜4倍はあるのではないでしょうか。 ICカード事業への新規参入は一巡した感がありますが、今後はサービスの統合も考えられるため当社の技術やノウハウに対する需要は増えることでしょう。

事業立ち上げ当初から志していたことですが、海外進出を視野に入れています。海外では、ソニーさんの開発したFeliCa(フェリカ)だけでなく、オーストリアのNXPセミコンダクターズ社(旧フィリップス社)開発によるMIFARE(マイフェア)にも対応したオープン規格による自由競争が推奨されておりますので、当社のような成長途上の会社にも十分チャンスがあります。 ヨーロッパではIC技術への対応が進んでいて、例えば、ロンドンの地下鉄では、最近「おさいふケータイ」に類似したサービスの実証実験が開始されたということもあり、国内以上に商機があるとにらんでおります。当社は、2006年2月に英国に100%出資子会社を設立し、ヨーロッパ市場におけるマーケティング活動を進めております。 10年までに100億円企業への成長を目指しておりますが、そのうち80%は海外での事業とするのが理想です。「持たざる経営」を志向する当社としては、これらの事業展開にあたり、技術力に特化したパートナーと意欲的に組んでいきたいと考えております。お客さまにとって利用価値の高い技術を提供することにより、今後も上場企業としての存在意義を示していきたいと考えています。(談)

(フジサンケイビジネスアイ 2007年12月11日掲載)
(ベンチャーファクトリーニュース 2008年3・4月号掲載予定)

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玉木 栄三郎 代表取締役会長兼社長 《たまき・えいざぶろう》
1972年生まれ。東京医科歯科大学医学部大学院博士課程修了。バイオインフォマティクス専攻 医療機器開発および医療情報処理の研究において電磁波、暗号化、情報処理など、現在の事業の基盤となる技術を習得。01年イー・キャッシュ入社。05年社長就任、06年マイクロソフト社のリージョナルディレクターに就任(兼務)。現在に至る。香川県出身。
イー・キャッシュ(マザーズ3840)
▽本社=東京都港区海岸3-26-1 バーク芝浦10F
▽電話=03-5484-6750
▽URL=http://www.ecash.co.jp/
▽設立=2000年3月27日
▽資本金=1990年5月
▽社員数=23名(2007年9月末現在)
▽事業内容=RFID技術を応用した各種製品開発など
▽業績=売上高7億9700万円、経常利益1億9800万円(2007年3月期、連結)



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