議会事務局と選挙管理委員会における調査の総括毎週恒例の自治体の議会事務局や選挙管理委員会の情報公開を調査する「自治体別、「選挙」と「議会」の情報公開診断」シリーズの総括編。 今回の記事では、昨年の9月から12月の間に県知事選挙または府知事選挙、市長選…

毎週恒例の自治体の議会事務局や選挙管理委員会の情報公開を調査する「自治体別、「選挙」と「議会」の情報公開診断」シリーズの総括編。

今回の記事では、昨年の9月から12月の間に県知事選挙または府知事選挙、市長選挙、市議会議員選挙が行われた自治体の議会事務局と選挙管理委員会の取り組みを客観的に評価するために「情報に対するアクセスの容易さ」「議会の活動」「選挙の告知」「結果広報」「お金周り」などの項目を含むチェックリスト（計50点満点）を用いて得点をつけた過去の調査結果に順位付けをする形で総括した。

詳細データはコチラ



議会事務局の上位得点（過去8回の調査）

1位　我孫子市（約13.5万人）【千葉県】25点
2位　海老名市（約13万人）【神奈川県】24点
3位　大牟田市（約12.5万人）【福岡県】22点
3位　亀岡市（約9万人）【京都府】22点
3位　さいたま市（約120万人）【埼玉県】22点




選挙管理委員会の上位得点（過去8回の調査）

1位　大阪市（約270万人）【大阪府】19点
2位　埼玉県（約720万人）【埼玉県】17点
3位　仙台市（約100万人）【宮城県】15点
4位　我孫子市（約13.5万人）【千葉県】14点
4位　高知県（約77万人）【高知県】　14点
4位　豊川市（約18万人）【愛知県】14点




議会事務局と選挙管理委員会の総合得点（過去8回の調査）

1位　我孫子市（約13.5万人）【千葉県】39点
2位　大阪市（約270万人）【大阪府】　38点
2位　埼玉県（約720万人）【埼玉県】　38点
4位　仙台市（約100万人）【宮城県】　36点
5位　高知県（約77万人）【高知県】　34点




総合順位1位の我孫子市（千葉県）は、30以上の自治体の中で唯一「議決結果」を「議員別」に公開しており、さらに「全議員」の「政務調査費」を公開している。また、総合順位2位の大阪市（大阪府）が、30以上の自治体の中で唯一「選挙管理委員会の議事録」を公開している点。これらは、有権者にとって非常に役立つ大事な情報公開だと云える。他の自治体も、参考にして導入することを検討してみてはどうか。

また、小金井市（東京都）が「議会中継」を「ユーストリーム」というインターネットサービスを利用して公開することを試みている。昨今のソーシャルメディアの普及に伴い、「双方向の政治」を実現する上で将来的に評価される可能性が高い取り組みだと感じた。

しかし、30以上の自治体の中で「選挙管理委員会」の公式サイトを持たない事例が数件あり、今まで「どのように選挙関連の情報を有権者に提供していたのか」を疑問視せざるを得ないと感じた。各自治体は、選挙管理委員会のサイトが有権者にとって大事な情報源であることをきちんと認識すべきである。また、グーグル検索で下位表示されている自治体もあり、有権者のためにもSEO対策などの措置を早めに講じるべきである。



今回の総括編を含めて、過去9回の調査を実施しました。30以上の自治体を調査する中で、独自の取り組みをしている自治体や改善点が多い自治体などを把握できるようになり、今後「ネット選挙」が日本において普及する際に応用できる「経験」を多く積むことができました。今後も、このような調査を継続して実施できればと思います。

原田康平



第一弾はこれで終わりですが、近いうちにバージョンアップして、第二弾を再開予定でございます。ご期待下さいませ。

槙野秀俊