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イー・シナプス

上場宣言

  

上場を目指す経営者が成長戦略と決意を語る

 

2007/12/24

小さな店でも、実店舗での営業を続けながら、インターネットの恩恵も受けて売り上げを拡大できる。リアル・バーチャルを融合するデータベース(DB)型ポータル(玄関)サイト「Lims」(『素朴な疑問』参照)を、アパレルショップなどに提供している。

2005年の設立時、ブログ(日記風サイト)で決済できるシステムを業界に先駆けて実現し、フリーマーケットの小間をネットで契約できる「フリーマーケット総合案内所」サービスを開始した。その後、口コミを主体に受注が増え、鉄道会社系ショッピングモールのサイトなど規模を拡大してきた。

「人口の3割でITサービスの?%の恩恵を受けている。残り7割の人は、インターネットの回線を引いていても使いこなせていない」(銭谷秀一社長)。デジタルデバイド(情報の格差)は企業規模の大小や業種で歴然としており、レジしかないような店舗に携帯電話で完結するシステムを売る余地はまだまだあるという。
DBを基盤にしているので、さまざまな機能を追加できる。例えば、最近では検索エンジンでの表示順位を上げるテクニック「SEO(検索エンジン最適化)」がもてはやされている。こうした場合には、ホームページに埋め込むタグを随時変える必要があるが、情報をいったんDBに入れてしまえば、バックグラウンドですべてを処理できる。

同社は、伊藤忠商事などが地域の名産品を全国に紹介する「ご当地総合研究所」のサイトを受注した。さらに美容サロン向けポータルサイトを展開するサイバートランザクション(東京都墨田区)と提携し、女性が行きつけの美容室から同じトリートメントをネットで買うのを支援する「ボーテレート」の本格展開を始めた。受注するシステムは大規模化が進んできた。
これまで主に口コミで受注が増えてきたため、営業らしい営業はほとんどしていないという。「まだ同じコンセプトの競合先はないが、いずれ2番手、3番手が出てくる。ITの世界では特許などで押さえられるものは少なく、ビジネスを先行していくしかない」(銭谷社長)

今月、同社は約7000万円の増資を行っており、来年3月までに従業員を?人体制に倍増し、営業体制および情報セキュリティー機能開発体制の強化を図る。
顧客情報の入ったDBを扱うので、パブリックカンパニー(開かれた企業)であるべきとの考えから、IPOも検討しており、最短では2010年?月ごろの上場を目指す。

【素朴な疑問】
Lims
ライブ・インフォメーション・マネジメント・サービスの頭文字。実店舗がポータルサービスを構築するためにイー・シナプスが用意する、データベース(DB)基盤のコンテンツ・マネジメント・システム(CMS)だ。
アパレル店員「たった今、入荷しました」
顧客「コーディネイトで見せてほしい」
家にいながら店にいる感覚の「バーチャル接客」を提供するには、ブログのようにリアルタイムに写真やコメントを追加・更新できる必要があるが、一方で値段などを間違えないように上司がコメントを承認する機能も必要になる。
新世代のインターネットサービスを「Web2.0」と呼ぶが、富士通でシステムエンジニア(SE)だった銭谷社長は、その本質を「大企業でなくてもDBが使えるようになったこと」と見る。確かに、ブログもSNS(ソーシャル・ネットワーキング・システム)もDBがシステムの要となっている。
携帯電話から入力すれば、あとは、Limsがホームページに自動ではり付けてくれる。情報リテラシーの低い人が知らないうちにバーチャルを使いこなしてITの恩恵を受けられる。

(フジサンケイビジネスアイ 2007年12日24日)
(ベンチャーファクトリーニュース 2008年3・4月号掲載)

経営者向けビジネス情報新聞「ベンチャーファクトリーニュース」の公式サイトを見る。
銭谷 秀一 社長
社名も、仮想空間に広がるイメージのウェブではなく、実際の商売をつなぐシナプス(神経の軸索)を採用した。大手SI企業とも共存して事業を進めていきたい。
ウチはこんな会社だよ
▽本社=東京都千代田区一番町10 相模屋第3ビル3F
▽設立=2005年7月
▽資本金=1億500万円
▽従業員=10人
▽売上高=7500万円(2007年3月期)2億2000万円(08年3月期見込み)
▽事業内容=企業に対するポータルサイト構築サービスの総合的提供



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