当社の社名を一語ずつ発するコマーシャルがきっかけで、最近、当社への注目度が以前より高くなりました。また、今月から当社の不動産「再活」事業を強調した新作コマーシャルを放映していますが、「再活」は不動産の再生と流通活性化を意味する造語で、現在商標登録を出願しています。
1988年の設立当初は、地元密着型のリフォーム事業会社としてスタートしました。その後、不動産の賃貸管理・仲介事業を手がけるようになりましたが、この2つの事業を昇華させたのが、2002年頃から始めた不動産の再活事業です。
当時はメガバンクを中心に金融機関の再編が行われ、拠点が縮小されるとともに、そこで抱えていた社員寮が数多く手放された時期でした。当社はこれらの物件を仕入れ、リフォーム、管理組合の組成など、リノベーションを行い、販売していきました。
再活事業は徐々に実績を伸ばし、2004年3月に東証マザーズへ上場。その半年後より地方への拠点拡大を開始しました。現在は、東京から沖縄までの主要都市に32拠点を展開。08年7月期の決算には、売上高1607億円、経常利益で236億円を目指すまでになりました。
不動産再活事業で手がける物件は、約45%がマンションです。当社がこれまでに販売したマンションは約7,000戸に上りますが、今後はオフィスや商業ビルなどの案件の増加が見込まれています。
今年8月、ゴールドマン・サックス証券グループから第三者割当及びCB(転換社債型新株予約権付社債)により約300億円の資金調達を行ったことから、以前より大型物件の情報が入手できるようになりました。将来、物件の出口戦略の一環としてSPC(特定目的会社)スキームを構築する際にエクイティ資金が必要になることからも、今後同社との関係を強固にしたいと考えています。
また、現在取引をいただいている、約90に及ぶ金融機関との関係も欠かせません。当社は全国展開を行なうにあたり、不動産情報から人材、資金まですべて地元で調達する戦略を実践しています。地元の情報は、地元出身者ならではのネットワークがなければ容易には知ることができません。当社が全国で展開している地方基盤は、同業他社に対する大きな強みです。
昨年6月から住生活基本法が施行され、バリアフリーや省エネルギーなどの付加価値が住宅に求められるようになりました。また、当社の上場後から、期せずして「再生」や「活性化」をキーワードにしたビジネスが増えてきました。これらの要素は、当社にとって追い風となっています。
商業ビルやオフィスなどの再開発による案件が増えたため、不動産再活を軸にした事業領域は徐々に拡大しています。今後は、ゴールドマン・サックスとの関係を中心に、同社とパイプを持った不動産関連事業を行う企業とのパートナー構築も視野に入れています。ただアライアンスやM&Aとなると、経済合理性だけではうまくいきません。理念や社風で相通ずるものがないと融和できません。当社は経済的豊かさ・身体的豊かさ・心の豊かさから成る「3つの豊かさの追求」を企業理念とし、CSR(企業の社会的責任)を果たすべく今後も努力していきます。(談)
(フジサンケイビジネスアイ 2007年11月13日掲載)
(ベンチャーファクトリーニュース 2007年1・2月号掲載予定)
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アルデプロ
TOPが語る
新興市場上場企業のTOPが、上場の経緯や成長戦略を語る
2007/11/13
久保 玲士 代表取締役社長 《くぼ・れいし》 |
1958年生まれ。中央大学文学部から数社での社会経験を経て会計事務所入所。 その後、アテネコーポレーション入社を経て02年アルデプロ入社。 今年10月、代表取締役社長就任。現在に至る。鹿児島県出身。 |
アルデプロ(マザーズ8925) ▽本社=東京都新宿区新宿3-1-24 京王新宿三丁目ビル2F ▽電話=03-5367-2001 ▽URL=http://www.ardepro.co.jp/ ▽設立=1988年3月1日 ▽資本金=129億3808万円(2007年10月末現在) ▽社員数=404名(2007年7月末現在、連結) ▽事業内容=不動産再活事業 ▽業績=売上高781億8400万円、経常利益116億1744万円(2007年7月期、連結) |