毎日見ても飽きないコンテンツ(情報の内容)が日本には3つあると思います。1がニュース、2に天気予報、3番目は意外にも占い。朝のテレビ番組を観ると、だいたいこの3つを放映してから「皆さん、行ってらっしゃい！」となります。最近ではインターネットの普及に伴い様々なコンテンツがウェブ上にあふれていますが、携帯電話やパソコンインターネット向けに占いを中心としたコンテンツを330サイト以上も運営しているのが当社です。

設立は、2000年。当時の事業内容はそれほど携帯電話に傾倒するものではなく、また提供するコンテンツのジャンルも幅広く手がけておりました。

私が社長に就任したのは、3年前です。

かつて、あるベンチャー企業の立ち上げに際し共に汗を流した当社の創業者・玉置真理氏から「ザッパラスの経営を手伝ってほしい」と誘われたのがきっかけでした。IPOを視野に入れた経営戦略を立案するに当たり「選択と集中」を迫られたため、F1層を獲得しやすい携帯電話向け占いサイトの運営に特化することを決めました。事業を集中させてから業績はさらに向上し、05年にマザーズに上場。その後M&A（企業の合併)を行ない、連結子会社2社を擁しています。

■■■ デジタルコンテンツの配信事業は、当社の売上の70％以上を構成しています。さらにそのなかで、約70％を占いがしめます。携帯電話向けコンテンツといえば、着メロや着うた、ゲームなどが人気を集めていますが、これらは比較的ユーザー離れが早い。それに比べて占いは「ニュース」「天気予報」と並んで各種メディアに必ず登場するため、我々のライフシーンには欠かせないものになっています。当社は現在約500万人の会員を有し、その数は増え続けています。

また、占いは非論理的に思われるかもしれませんが、実は非常に論理的です。監修者の方にうかがったお話を下にデータをプログラミングし、コンテンツとして配信する。考え方は統計学に似ていて、IT(情報技術)とは非常に親和性が高いのです。

加えて、占いというコンテンツは、ユーザー情報を非常に取得しやすい。当たり前ですが、生年月日、血液型、出身地などの基本属性はもちろん、「いつデートをするのか」など行動特性までも把握することができるのです。それらのデータをマーケティングに活用することで、新規事業へと展開できます。

当社の場合は、コマース事業を立ち上げました。スイーツや化粧品、海外ブランドのアウトレット品など女性向けの商品を中心に取り扱っています。現在、同事業は売上の約25％をしめるまでに成長しました。

■■■ 昨年１月からはJR東日本グループの子会社と提携したモバイルSuicaサイトの運営受託、今年5月からはモバイル版「Yahoo!占い」への提供も開始しています。

今後もデジタルコンテンツの配信で培ってきたノウハウを新規事業へと振り向け、アライアンスやM&Aにも意欲的に取り組みたいと考えております。

昨今、モバイルコンテンツ業界の再編が進んでおりますが、当社事業はもちろん、市場全体もまだまだ成長段階。今後も業界のリーディングカンパニーを目指すべく、地に足をつけビジネスを確実に当て続けていきます。（談）

※※※ （フジサンケイビジネスアイ　2007年12月3日掲載）
（ベンチャーファクトリーニュース　2008年3・4月号掲載予定）

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