今年１１月１日、新規顧客開拓に悩む企業に向けて「ＢtoＢマーケティングセミナー」が開催された。壇上に上ったのは、ＢtoＢに特化したマーケティング戦略を提案しているイノベーション代表の富田直人氏。どうすれば継続的に見込みの高い顧客リードを獲得できるのか。同氏の講演からＢtoＢマーケティング成功の秘訣を探る。

「ＢtoＢ企業、とりわけ技術力のあるＩＴ企業などは、いい商品を持っているのに、スマートに営業をやりたがる傾向があります。ですが、本来新規顧客開拓とは、リストを作ってアポ取りをし、告知をして見込み客を育てるという地道な作業が必要です。限られた営業パワーを見込みの高い商談に注ぐために、当社は面倒なアポ取りや見込み客育成のアウトソースを提案しています」
ＢtoＢマーケティングの代表的な手法にテレマーケティングがある。自社内で試みている企業は多いが、終日電話をかけても、アポイントは１件も取れないケースもある。社内リソースの限られた中小・ベンチャー企業であれば、非効率な作業に人員を割きたくないのが本音だろう。効率化の観点からも、新規顧客開拓のアウトソースは有効な手段といえる。では、テレマーケティング会社に依頼すればよいのか。
「テレマーケティングやＤＭサービス、ＳＥＯ対策にリスティング広告などを単体で提供している会社は数多く存在します。しかし、限られた予算と社内リソースの中で、自社商品のターゲットキーマンに接触するには、これらを組み合わせたマーケティング戦略が不可欠です」と富田氏は語る。同社の強みは、テレマーケティング、インターネット、データベースマーケティングの３手法を駆使した戦略にある。リスティング広告とＤＭで見込み客を獲得・育成し、同時にテレマーケティングでキーマン調査を行なう。集めた顧客情報をデータベース化し、そのデータをもとに再度テレマーケティングを実施。継続的に見込みの高い顧客とのアポイントを設定していく。
同社は、ＩＢＭやＮＥＣといった大手優良企業を多数抱える一方で、自社の立ち上げノウハウを基に、設立間もないベンチャー企業への提案も積極的に展開している。現在、累計クライアント数は１３００社を超えた。「自分が営業部長だったら」という視点で、顧客ごとに適切なマーケティング戦略を提案する、同社への注目度は高い。

（ベンチャーファクトリーニュース　2008年1・2月号掲載）

経営者向けビジネス情報新聞「ベンチャーファクトリーニュース」の公式サイトを見る。