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イー・アライアンス

ベンチャーコラム

  

ベンチャー企業の経営者が、今注目のビジネストピックを解説

 

2007/11/13

今回は、上場目的が会社経営に重大な影響を及ぼす点について、具体的にお話ししたいと思います。

私が、上場支援コンサルティングを受託する前に、「そもそも上場する目的は一体何ですか?」というごく基本的なことを、まず常に確認しています。

業績の好調なベンチャー企業であればあるほど、証券会社やVC(ベンチャーキャピタル)、銀行等から、「IPO(新規公開・上場)しませんか?」というお誘いが盛んに飛び込んできます。彼らが提案する内容として主な物は、�/�用力ならびに知名度の飛躍的な向上、��株式市場という「直接調達手段構築」、�A篭隼�の苦節を、上場後の持ち株放出で回収する「創業者利益の還元」、の3つです。

実際は、この提案内容をベースに上場目的を検討される企業が多いと思います。そして実はこの上場目的こそが、その後の会社経営のすべてにわたって影響を及ぼすことは、意外と認知されていません。

この上場目的が経営者本位になった場合の経営への表出と影響は、�‐緇貉�も含めた株価ありきのトップダウン方式による安易な予算作成、�⊂緇貉�の持ち株放出に備えて、ストックオプションの付与を役員・関係者中心に行います。

これらは、事業計画書ならびに資本政策(株主政策)を見れば、すぐに判明します。ここに共通することは、上場による「私欲の追求」です。予算を高く設定し株主の期待を高め、かつ将来的に放出する予定の株式ストック分に厚みを持たせれば、経営者(層)にとっては退任時の退職金支給と保有株式で資産計上を行えることになります。

しかし、会社経営に与える悪影響は大変なものになります。�仝充妥�な数字とのかい離とそれを達成する現場目的意識の低下、�⊇抄醗�離脱および人材流動化、�M住嗣っ�によって株価下落、その後� 銑�のサイクルを繰り返し、会社疲弊の後赤字転落。さらに数字が上がらないことによる焦りから、経営者が外部人材を直接登用し、トラック期間もなく上位のポジションにつけることで、生え抜き社員は離反し、結果経営崩壊は決定化されます。成績を挙げることによるインセンティブが従業員には全く無いことによって、現場のモラルならびにモティベーションの低下がおこります。

私が見た数あるベンチャー企業の中で、現場のモティベーション低下に憂いている企業の主原因は、往々にしてマネジメント層に問題がある事例が大半を占めており、上記影響をそのまま体現しておりました。

上場目的に経営者(層)の私欲を入れた瞬間から、前述のように会社崩壊が始まります。経営者ほど自己に厳しく、私欲を捨て、会社を大きくすることで従業員とその家族、取引先、社会を幸福にすることに専念し、上場ならびに100年企業を目指していただきたいと切に願っています。

(フジサンケイビジネスアイ 2007年11月13日掲載)
(ベンチャーファクトリーニュース 2008年1・2月号掲載予定)

経営者向けビジネス情報新聞「ベンチャーファクトリーニュース」の公式サイトを見る。
中林 裕詞《なかばやし・ひろし》
1977年福井県出身。2000年3月、滋賀大学経済学部経済学科卒業、
2002年3月、滋賀大学大学院経済学研究科経済学専攻修了、経済学修士。
新光証券株式会社に入社、法人営業および個人営業を経験の後、大手商社系
与信管理システム会社にてシステム提案営業、医療機関専門事業再生支援ベンチャー企業
にて内部監査室長兼事業デューデリジェンスチームヘッドを務め、企業内部より
上場準備の体制整備に尽力する。
2006年6月より、株式会社フュージョンパートナー経営企画室に配属、2007年1月より
株式会社イー・アライアンスへ出向、代表取締役を経て現職。事業再生に関連する
M&A助言やファイナンスアレンジメント、また実際に現場に入り込んでの支援を
得意としている。



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