ベンチャー企業の新卒採用で大切な要素を考えてまずと、まず、学生に能力の高さだけを求めていてはいけません。いくら能力が高くても、いざ困難に立ち会ったときに、それを克服できる強さがない人間は成長しません。一般能力の前に、困難に強い危機耐性の能力を確認していくべきです。
そして採用では、コミュニケーション能力が重要な要素です。最近はゲームやインターネットに時間を費やす学生が増え、コミュニケーション能力の大きな低下が見受けられます。この能力を量るには、形式的な面接だけではなく、学生と自然な環境の中で対話すべきです。社内の触れ合いでも社外の営業でも、相手との関係を円滑にしていけるかが、他のすべての能力以前で大切な要素です。
最後に今の時代では、採用時に学歴を重視してはいけません。なぜなら、インターネットの普及により世の中で必要とされる能力が変化したからです。
大量の情報を暗記する能力が重視された時代は終わり、これからは、情報の暗記ではなく、たくさんある情報を応用し使えるかどうかが重視されるようになります。学生と自然な雰囲気の中で触れ合って、彼らの応用力をしっかりと見るべきです。
大量に新卒を採用する大企業は、すでに社内業務の仕組みが出来上がっており、素直に決められた仕事ができる人材が採れればよいケースが多いです。しかしベンチャー企業ではそうはいきません。数少ない一人ひとりの社員が、高い能力を発揮して経営を牽引してくれるくらいの逸材であってほしいのです。そのためにこそ、数少ない採用枠に入れる予定の学生、一人ひとりをしっかり見る採用スタイルを取るべきです。新卒採用で成功しているベンチャー企業の多くが学生とのリアルな触れ合いを大切にしています。
いまベンチャー企業には、手間を惜しまずに学生と丁寧に交流をして、学歴や条件ではなく、人間性をしっかり見ていく採用スタイルに本気で切り替える必要があります。
(フジサンケイビジネスアイ 2007年11月13日掲載)
(ベンチャーファクトリーニュース 2008年1・2月号掲載予定)
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インフォランス
ベンチャーコラム
ベンチャー企業の経営者が、今注目のビジネストピックを解説
2007/11/13
佐々木 雅士《ささき・まさし》 |
1968年生まれ。大学卒業後、都市銀行の保険代理店部門に入社。 企業コンサルティング業務に従事して様々な経営手法を幅広く習得。 連続トップセールスマンとして記録的な成績を残す。2000年に独立して インフォランスを設立し代表取締役に就任。経営の側面支援を掲げて、 中小・ベンチャー企業の経営を、新卒採用・税務財務・ウェブ戦略など、 あらゆる側面から支援している。 |